菱屋善兵衛復刻帯地「蔵」
創業200年の記念となる帯の製作をと考え、約10年前、弊社の蔵を整理していたところ、明治・大正時代に製造していた生地や図案、小物などが多くみつかりました。
当時の生地というのは、糸のこみ具合、ジャガードの細かさなど、たいへん緻密なもので、現在の技術では復刻することが困難なものも多数ありました。
その生地の風合い、柔らかな手触りや軽さを今に蘇らせるために研究を重ね、ごく細かい良質な原糸を横糸に使用して、一般の帯の倍の密度に織り上げました。
職人により図案、素材、配色すべてに於いて吟味を重ね3年の歳月をかけ、出来上がった帯です。
今の時代には新しさを感じさせ、訪問着から色無地、また紬系統にまで幅広く合わせられる用途の広い末永くご愛用いただける帯に仕上がりました。
受け継いできた伝統と技を身につける事で実感していただけると思います「蔵」の地組織は、古来からの織物組織「錦織」です。縦と横の込みを一般の帯の二倍細かく織り込むことにより、模様がきめ細かく表現されています。