菱屋善兵衛とは

About

木野家は、今から約二百年前、
尾張国から入洛した木野善八が初代といわれ、
現社長木野善之で八代目を数えます。

二代目善兵衛が当時丸屋と並び、
西陣の機業を二分していた菱屋に入り織物業を習得、
「菱屋善兵衛」と名乗り現在の地に独立したのが
文化元年(1804年)で、この年を創業としています。
現在、所蔵する古代裂地を復刻した袋帯を中心に、
西陣お召しなど時代に合った商品を提供しています。

創業

「菱屋善兵衛」を屋号とする木野織物は、創業200年を超える老舗です。
初代は尾張国から入洛した久我中納言の供頭を務めた木野善八(1806年没)とされます。
二代目となる善兵衛は、その当時(江戸後期)「丸屋」とともに西陣の機業を二分していた「菱屋」に入って織物業を習得、独立して菱屋善兵衛を名乗り、1804年に現在の本社の地に創業しました。

その後は、二代目の次男、三代目の次男と継承されましたが、それは主家の「菱屋」に跡取りがなかったために、木野家の長男が主家を継いだからです。
しかしいつしか主家は断絶。今は木野家がその墓所を守っています。

大正

「菱屋善兵衛」は創業当時から、帯地のほかに相撲の化粧廻しも製織していましたが、明治19年に家業を継いだ四代目からは帯地のみに専心、ジャカード機を導入して設備を整え、繻珍(しゅちん)の丸帯を多く製織していました。
積極性に富んだ五代目は各種の帯を手掛けましたが、一時は絽の丸帯のみを作り、「絽ならば木野」とまでいわれたそうです。

やがて時代は大正に移り、9年に襲った経済恐慌は菱屋善兵衛にも大きな痛手を与えました。 昭和23年に後を継いだ、現社長の祖父である六代目は、「自己の力に応じた背伸びをしない経営」を念頭に堅実経営に徹し、常に「良い商品を安く提供する」ことをモットーとしました。

現在

そしてその姿勢が、現代も揺るぎなく受け継がれています。
現在、創業当時から存在する蔵に所蔵されていた古代裂地を復刻した袋帯を中心に、図案、配色や織物組織から素材まで全てにおいて吟味を重ね、留袖、訪問着、色無地用から紬用まで、現代のお客様のニーズに合わせた締め心地の良い帯作りを手がけております。

略歴

▼略歴
文化元年 創業昭和29年設立
昭和44年 京都府知事認定「京の老舗」表彰
平成 6年 西陣織大会 京都府知事賞受賞
平成10年 西陣きものフェスティバル 通商産業大臣賞受賞
平成21年 西陣織大会 京都市長賞受賞
平成23年 西陣織大会 京都市長賞受賞

菱屋善兵衛所蔵品

所蔵品

文化元年(1804年)創業以来、菱屋善兵衛の伝統と技を今に受け継いでいます